着物は生地や織り方がそれぞれ異なり、たくさんの種類がありますよね。
いざ着物を選ぶ際に、重さを基準に選ぶことは少ないと思います。
しかし一度は
「重いと肩が凝りそう」
「軽い方が動きやすそう」
「生地が重い方がしっかりとしているのかな」など、着物の重さについて考えた事はあるのではないでしょうか。
先日、次女のお宮参りの産着をネットでレンタルしたのですが、産着を手に取った時に「あれ、長女の産着の方が軽かったような気がする」と感じました。
では、実際に軽い着物・重い着物などあるのでしょうか。
今回は
①生地による重さの比較
②織り方による重さの比較
③まとめ
の3つにわけて記していきます。
①生地による重さの比較
日本の着物はほとんどが絹製です。
しかし最近はポリエステル製の市場も拡大しています。なので今回はこの2種類の生地の着物の重さを比較していきます。
結論から言うと、ポリエステル製の着物の方が重いです。
「ポリエステル製の着物」と聞くと、軽い・薄い印象を抱く方も少なくないでしょう。
私もポリエステル製の着物に対しては軽いという印象を抱いていました。
では、なぜポリエステル製の方が重いのか。
家庭科で教わった「生地の重さ」をみていきましょう。
綿 | 重い
↑ ↓ 軽い |
ポリエステル | |
絹 | |
ポリウレタン |
上記の図を見ると、絹製の着物よりもポリエステル製の方が重いことがわかります。
実際に手にとってみるとわかるのですが、絹製の着物よりもポリエステル製の着物の方がずっしりと重く感じます。
②織り方による重さの比較
着物は織り方によって、
ちりめん、紋意匠(もんいしょう)、綸子(りんず)と名称が変わります。
では、それぞれ重さに違いがあるのかを考えていきます。
結論は、織り方の違いによって重さが変わることはないです。
しかし、織り方によって感触の違いがあり、結果として重く感じることはあるのです。
例えば絹製の場合、1反の重さはどれも700gほどです。
※ 1反=着物を仕立てることのできる長さおよそ11m40㎝〜12m
なので織り方がどうであれ絹製の着物であればどれも重さは変わらないのです。
「この着物は重いな」「さっきのよりも軽いな」と手に取って感じる重みの違いは織り方による感触の違いと思われます。
(参照:特選呉服結城屋全日本きもの研究会によるQ&A http://ykya.co.jp)
また、ちりめんのようにシボがあればあるほど重厚感があります。(参照:大福屋https://www.daifukuya.co.jp/cloth.html )
※ シボ=織物の表面の凹凸のこと
改めて考えてみると娘たちの産着は2着とも絹製だったので、私が感じた重さの違いは感触の違いだったということですね。
ちなみに、ガラの入れ方でも重さに変化があるのでは?との疑問も出てくるかと思います。しかし、
・白地の糸で織る→ガラ部分を染める
・白地の糸を染める→ガラ部分を織る
と、上記のように先に染めるか、あとに染めるかの違いだけなので
完成後の重さはさほど変わらないでしょう。
③まとめ
・絹製の着物とポリエステル製の着物と比べると、ポリエステル製の着物の方が重い
・織り方の違いによって着物の重さが変わることはない
・織り方の違いによって重さの違いを感じる事はある
もし「重さ」で着物を選ぶのであれば以上のことを参考にして自分に合った着物を選んでみてくださいね。